平成百鬼夜行〜風人伝〜


そんなわけで、家に戻った俺は母さんに怒られた。ばーちゃんと翔子を置き去りにして、なおかつびしょ濡れで家の中に入ったのがまずかったらしい。さっさと風呂にいけと言われた。
雨が降ったのは一応俺のおかげなんだから、感謝に1つでもほしいものだ。母さんは何もわかってない。だから、子供は反抗期になるんだ。コンビニもゲーセンもないこの村で頑張っているんだから、褒めてくれたっておかしくない。それで、お小遣いの1000円や、5000円くれたっておかしくない。俺はそう思うね。

「お兄ちゃん、何してたの?」

風呂上がりの俺を待ち伏せしていたのか、俺は翔子に捕まった。因みに翔子たちはどうにか雨にぬれなかったらしい。
これが美優さんだったらどんなにいいか!!

「雨降り小僧と白蛇と白龍に会った」

俺は正直に答えた。案の定、翔子は羨ましそうな顔をしていた。俺ってさすがじゃん。

「ずるいー!! 私も見たい!!!」
「もう遅いぞー」

俺は翔子をからかうように言った。こいつ、からかうと面白いんだ。でも、明日のことは内緒だけどな。2人もいなくなったら母さん驚くし、父さんの手伝いがいなくなるしな。
内緒っていったら内緒。んで、帰ってきたら自慢してやるんだ。

「お兄ちゃんだけ、ずるいー!!!」

翔子、もう何をいっても無駄だ。だから、俺の袖をもって腕をブンブンするのはやめろ!!
さて、そんなわけで俺は普通の日を過ごそうと思っていたんだけど、普通の日は過ごせないらしい。しかも、明日は月曜日ということに俺は気づいた。
……明日学校なんだよな。しかも、明日の夜集まるんだっけ?
明日は寝れないかもしれないから、今日は早く寝よう。
で、俺は夕食を食べるとさっさと部屋に行ってしまったが、なかなか寝付けなく、むしろ逆に目がさえてしまった。
結局寝たのはいつもより遅い1時であり、学校に遅刻した。



 モドル|>>NEXT