平成百鬼夜行〜風人伝〜


遅刻、そして俺はほとんどの授業を寝て過ごしたため、3時間目には水のはいったバケツを2つ持ち廊下に立つはめになった。
が、あまりの眠さにその水を廊下にぶちまけ、びちょびちょにしてしまった。

「ったく……お前は何をやっているんだ……」

昼休み。聖は俺に対してため息をついた。ムカツイたが、俺は返す言葉がなかった。いやぁ、めんぼくない。

「しょうがねぇーだろー。昨日寝たの遅かったんだから」

だが、言われっぱなしではムカツクので、そう言い返してみた。

「何だよ、お前あのこと気にしてるのか?」
「あのことってなーにー?」

聖がそう言うと、突然三山がそう首を突っ込んできた。俺はびっくりした。
因みにあのこととは、昨日のことで俺が早く寝ようと思った出来事でもある。

「永田くんと立花くんって仲いいよねー」

と、三山はわけのわからないことを言ってきた。聖はあきらかに嫌そうな顔をしているが、その顔は俺にとって凄く失礼だろ!! むしろ、その顔は俺の顔だ。

「仲良くなんかない」

聖はそう言い、俺もうんうんと頷いた。

「でも、2人って名前で呼んでるじゃん。それって仲がいいってことじゃないのー?」

あああああ!!! キモイことを言うな!! 仲良くなんかない!! むしろ、仲良くなりたくない!! それに聖って呼びやすいんだよ、立花より。

「初めてあったのが学校じゃないからな。その時妹もいたし、苗字じゃよくわかんなくなるだろ。こいつの妹はこいつと違って素直だよ」
「俺もそんな感じの理由。お前のお姉さんはお前と違ってあれだよな、美人だし優しいよな」

三山がへんなことを言うから、くだらない争いが始まった。三山は笑いながら見てるし。
でも、美優さんは確かに美人だ。聖とは血が繋がってるとは思えない。
聖はきっとダメコラボレーションなんだな。親から全部ダメなとこを受け継いだんだ。とくに性格。あれ? 性格は遺伝しないんだっけ?
にしても、ここは都会と違ってクラスも人数も少ない。むしろ、学校の規模が小さい。こーゆうものなのだろうか?
そんなこんなで、今日は6時間あるのだが、眠さとあのことが気になりすぎて俺は授業にならなかった。あとは、時間になるのを待つのみ!



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