平成百鬼夜行〜風人伝〜


俺は時間になるまで銀河の言ったことを考えていた。
日付ってのは12時でかわるもんだ。だけど、月のうごきはどうよ? 変わらないよな?
でも、銀河は明日の2時って言ってたけど、日付では明日の2時って過ぎてるんだよな。なんだかその変って難しいよな。聖、学校に来ていたから今日でいいんだろうけど。
まぁ、そんなことを考えたら時間が来たので家をこっそり出た。時計は1時45分をさしていた。こりゃー、遅刻かも。
だが、銀河が書いた葉っぱのとこの集合場所に行くと、まだ誰もいなかった。一番最後かと思ってたのに一番最初かな? ま、まさか置いて行かれたとか……。
空にはまるまるとした綺麗な満月が輝いているが、俺は時計を持ってないから時間がわからない。しかも、俺は天文とか苦手だから星から見る時間なんてもっとできない。

「あれ? 徹平?」
「あ! 銀河!」

銀河はどこからともなく現れた。銀河は着物を着ていたけど、俺もそーゆうの着た方がよかったのか? 持ってないけど……。

「徹平、来るの遅いからいろいろ用意しちゃったよ。それにしても、徹平はあれだなー。もろ、人間のにおいがする。聖もだけどさ」

あー……皆来てるんだ。てか、人間くさいってなによ!? 俺は風呂もちゃんとはいったし、なにより人間だ。人間臭ってのはしょうがない。

「何かヤバイの?」

まさか、食われるとかじゃないよなぁ……。だったら、しょうがないじゃすまないぞ。

「え? あぁ、人間食うやつとかいるし。まぁ、大丈夫っしょ」

銀河はにっこり笑顔で言った。いやいや、大丈夫じゃない。まさか、昔話みたいに体中に念仏とか書いたりするのか?

「えい!!」
「うわっ!?」

そんなことを考えていると、急にうす布を顔にはられた。一応前は見える。このうすぬのから変なにおいがするけど……。

「何すんだよ、急に! 前みにくいだろ!」

そう。俺は走るから、こんなんじゃ転ぶ。聖に笑われる! それは嫌だ。
俺はうすぬのを取ろうとしたが、とれず、そのうすぬのを持ちあげ、銀河を見た。こんなのつけてるとどっかの貴族みたいだな。

「それにはある花の匂いがついている。とったら食われるからな」

何が面白いのか、何も面白くない。なのに、銀河は笑いながらいった。
そんなわけで、俺は銀河につれられて皆がいる場所に行った。森の奥で何かが光ったのを俺は見た。



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