僕たちのキラキラ


僕は常々思うことがある。
そういえば、君たちにとこは今何月?
僕のとこはね、12月。
12月23日。



その日、僕はラスがあまりにも煩く吠えるから、朝早くから散歩に連れてったんだ。
朝日が眩しかったけど、キラキラしていて綺麗だった。
空気も澄んでいて、空も綺麗で……僕は少しぼんやりしていたのかもしれない。

「ラス、そんなにひっぱるなよ!」

僕は、僕のことなど気にせずに進む、ラスに悪態をついた。
因みにラスとは、僕の家で飼っているゴールデンレトリバーのオス。
すっごくバカ。うんざりするほどに。
ラスは僕のゆうこと何か聞かずに、どんどん進んだ。
そして、僕たちはいつのまにか町の中央広場に来ていた。
うん、僕の住んでる町はそんなに広くないんだ。
そんなことは置いといて、中央広場の真ん中には大きなクリスマスツリーが立っていた。
周りの木とかにもカラフルな電飾がしてある。
それ以外にも何か白くて針金みたいで、でも夜になると光るやつでペガサスとか天使とかが作られていて芸術的に置いてある。
とにかく僕g言いたいのは、この広場はクリスマスって感じなんだ。

「うわぁ、キラキラだ」

ツリーのてっぺんの金の星に光があたり、広場全体がキラキラしているように見えた。



僕が思っているのはこのへんにある。
何の飾りもない中央広場は綺麗じゃない。
これは中央広場にだけに言えることじゃない。
君たちのとこもそうだろ?

そして、もう1つ。

クリスマスが近づいてくるとイルミネーションをする。
まぁ、しすぎてごちゃごちゃしてたりするとこもあるけどさ。
でも、どこもかしこもピカピカ光ってる。
でもさ、クリスマスのときだけは光ってようがなかろうが、僕にはキラキラ輝いているように見えるんだ。
それに皆もどこかウキウキしてる。

「ナイジェル、ナイジェル!」

突然僕を呼ぶ声がし、物陰からトム・ソーヤに出てくるハックル・ベリー・フィンだっけ?
確かそんな感じの名前の子と同じような服装をした子が僕の方に走ってきた。

「アンジェラ、おはよう」

僕は背の高いアンジェラに、少しねむたそうな声で挨拶をした。
ラスがワンと一声吠えた。

「ナイジェル! この広場凄くない!? 昨日の夜完成したんだ!」

アンジェラは少し興奮していた。
朝なのにアンジェラは元気だなぁ。
にしても、昨日の夜完成って……アンジェラ、君はいったいどこに住んでいるんだよ?

「うん、凄い。そういえば、アンジェラ。今年のクリスマスプレゼントは何がほしい?」

僕は興奮しているラスを落ち着かせながら言った。

アンジェラは一番の友達だから、毎年プレゼントをあげてるんだ。
アンジェラからは1回も貰ったことがないけど……。

「んー。今年はいらない。俺がお前にプレゼントをやるよ。だからさ、明日も同じ時間にここ来いよ」

アンジェラはにぱっと笑った。
僕は頭に「?」マークを浮かべたが、コクンを頷いた。
ここで僕とアンジェラは別れた。
僕はラスの散歩を済ませ、家に戻った。
その間も、僕はアンジェラが何をくれるのか、ずっと考えていた。

アンジェラは親や保護者がいない。
孤児って奴なのかな?
実はさ、アンジェラがどうやって生活してるかも知らないんだ。
うん、アンジェラはよくわからない奴だけど、とにかくいい奴なんだ。



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