僕たちのキラキラ


僕は家に帰って、まず朝食を食べた。
朝食は食パンとスープだった。
食パンって何か不思議、ホントのパンって感じがする。

僕の家族は4人家族。
お父さん、お母さん、お母さんの方のおばあちゃん、そして僕。
おばあちゃんは、もう歳で認知症ってのになってて寝たきりだ。
それをお母さんが働きながらめんどうを看てる。
お父さんは単身赴任ってやつであまり会えないんだ。
いつも年明けに帰ってくるからもうすぐ会えるね!

「ナイジー、お母さん今日仕事あるから、おばあちゃんの薬を貰ってきてもらえる?」

お母さんがお皿を洗いながら言った。
ナイジーってのは家での僕の愛称って感じかな。

「うん。ついでに買い物に行って来るよ、何が必要?」

僕もそれを手伝った。
お母さんは色々大変だから少しでも楽をさせてあげないと。

「そうねー。じゃあ、今日の夜はクリームシチューにするから、ニンジンとタマネギを買ってきてもらえる?」
「わかった。じゃあ、部屋掃除したら行って来るね」

僕はそういい、掃除機を取りに言った。
お母さんはそれから1時間して仕事に出かけていった。
ちょうどそのとき、僕は洗濯物を干していた。

「うわぁ、凄い」

ベランダから見た町はやっぱりキラキラしていた。
僕はクリスマスが大好きだ。
何よりも大好きだ。
12歳だっていうのに、サンタのことだってまだ信じてる。
だって……何かクリスマスって素敵じゃない?
キラキラしていて、何でも夢が叶いそうな感じでさ。
皆どこかウキウキしていて、町もいつもと違ってキラキラしていて。
確か、誰かがこの日に生まれたらしいんだけど、僕はこのキラキラが好きなんだ。

お父さんもクリスマスの間は帰ってきてくれればいいのになぁ……。
お母さんも仕事を休んでくれればいいのになぁ。
僕は皆でこのキラキラの中を歩きたいよ。
でも、そんなわがまま言ってられないよね、皆忙しいんだから。
それに僕はアンジェラみないに1人じゃないんだし。

そういえば、アンジェラは何で1人なのかな?
家出でもしたのかな?




僕はその日、お母さんに言われたことをちゃんとやった。
その日な何事も起こらず平和だった。
あいかわらず町もキラキラしていて。
でも、夜……僕が寝る前にもう一度広場を見ようと思って、ベランダに出たんだ。

「あれ?」

僕は自分の目を疑った。
広場の方は綺麗にピカピカと光っていたが、キラキラしていなかった。
おかしいな……クリスマスの時期は夜でもキラキラしてるのに。
僕はずっと考えていたが、結局眠気には勝てずに寝てしまった。



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