僕たちのキラキラ


目が覚めたら、僕は雪の上ではなく、自分の部屋にいた。

「あれ?夢……?」

僕は目をこすり、パチパチと瞬きをした。

「ナイジー! プレゼントがあるわよ〜!」

下の階からお母さんが呼んでる。
そうか、お母さん忙しいのに僕のためにプレゼントを用意しておいてくれたんだ。
僕はパジャマのまま、リビングにあるツリーの方に行った。
あれ? 僕はいつパジャマに着替えたんだ?

「さぁ、開けてみて? 何が入ってるのかしら?」

ツリーの下には1つだけ、プレゼントが置いてあった。
僕は包装紙を丁寧に剥がし、中身を取り出した。

「うわぁ、マフラーだ!」

中身は白いマフラーだった。
しかもお母さん手作りの毛糸のマフラー!
凄く暖かそう。
僕はさっそくマフラーを巻いてみた。

「あったかーい」

何だか幸せな気分になれた。
僕はふと、ツリーの下にまだ何かあるのに気づいた。
小さな白い箱があった。
お母さんのプレゼントで隠れてたみたいだ。
僕はしゃがみ、その箱を手に取った。
何だかキラキラ光っているように見えた。

「うわぁ、星だ」

僕は箱を開けた。
中には星が入っていた。あのツリーの星をそっくりな。
でも、そっくりだけど、ちゃんとした星ではなく、半分の星だった。
片割れはどこにあるんだろ?

「ナイジェル! ナイジェル!!」

窓のほうから、名前を呼ぶ声とコンコンと窓を叩く音が聞こえた。
そこにはアンジェラがいた。
僕は窓のほうに行った。

「どうしたのさ? アンジェラ、こら! ラス、静かに!!」

僕は窓を開け、アンジェラにじゃれついて、吠えているラスを叱った。
ラスはきゅーんとした感じで、尻尾を下げ小屋に戻っていった。

「見ろ! ナイジェル! これ、あの星だ!」

アンジェラは手に持っている半分の星を僕に見せた。
僕の持っているのとそっくりだ。
僕もアンジェラに星を見せた。










僕はアンジェラと一緒に星を持って広場に行った。
ツリーのてっぺんにはちゃんと星はあった。
僕は僕らの持っている星とツリーの星の違いに気づいた。
半分とかじゃなくて……僕らの星の方がキラキラしてるんだ!

「あ……ナイジェル! 俺の星の中に何か入ってる!!」

アンジェラはそういい、星の中から白い紙を出した。
その紙には“星を1つにくっつけてごらん?”と書いてあった。
僕たちは書かれたとおりにした。
すると、星のくっつけた部分が光り、その光りはツリーの星のほうに向かっていた。
そして、光りはツリーの星から屈折し、空へと続いていた。
そして空には……光りでメリークリスマスという文字が書かれていた。

「うわぁ!キラキラだ!」

僕はその文字を見て、感激の声をあげた。




これは後から聞いた話。
クリスマスの日やクリスマスカラーには意味があるんだって。




もし、僕が小さい子に「サンタはいるの?」って聞かれたら……。
サンタも空飛ぶトナカイも妖精もこのキラキラの中に住んでいるんだ。
君がこのキラキラを信じ、失わない限りサンタに会えるよ。
え? キラキラ何か見えない?
うん、そうだね。でもね、目に見えるものだけが真実じゃないんだよ。




皆、メリークリスマス!




END




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無事、完結いたしました。
これは、あれなんですよ。学校行く前の駅のイルミネーションがキラキラしていたので、そこから出来ました。
単純な理由ですよ、ホント。

サンタ一行あんまり活躍ありませんでしたね。
でも、今回の主人公は前主人公と違い、クリスマス大好きな子です。

あ、ちなみにクリスマスカラーの赤の意味はキリストの血、緑は常緑樹、キリストの茨の冠です。
常緑樹は永遠の命をあらわしているみたいです。

by銀

2006.12.17