僕たちのキラキラ
「ありがとうって……でも、これはアンジェラが取っちゃったものだから」
僕はぶつぶつと小声で言った。
キラキラの雪のせいか、広場が町がいっそうキラキラしているように見えた。
「君たちはクリスマスの奇跡を信じるかい?」
ジェイクが笑っていた。
僕らは顔を見合わせてから、コクンと頷いた。
「僕はクリスマスは好きだし、サンタもいると思ってた。それに、なによりこのキラキラが好きだったから……」
うん、僕はこのキラキラが大好きだ。
絶対サンタもいると思ってた。
そしたら本当にいたんだ!
「俺は…信じてなかった……。ナイジェルがいうキラキラってのもよくわからなかったし、確かにクリスマスのときは綺麗だとは思ってたけど。でも、今は信じてるよ。ナイジェルのいうキラキラもわかったし、何より目の前にサンタがいるんだ!」
アンジェラは、子供みたいに目をきらきらさせ、ウキウキした感じだった。
あぁ、やっぱりアンジェラも子供なんだなぁと何だか、少しおかしくなった。
広場や、雪はいっそうキラキラを増したように見えた。
「ナイジェルにアンジェラ、そろそろ帰る時間だよ。もう家に帰って寝る時間、これ以上奇跡の世界を見せるわけにはいかないよ。時間もないしね」
ミチルがやっぱり時計を見ながら言った。
時計は12時5分をさしていた。
「そうだね。僕たちには僕たちのやることがあるし……サンタ」
今度はジェイクがサンタを見て、言った。
何だか8頭のトナカイたちも急かしているように見えた。
でも、僕もアンジェラも全然眠くなかった。
むしろ、このままサンタたちと一緒にいたかった。
「うん、わかってる。ナイジェル、アンジェラ。そろそろお別れの時間だ。大丈夫、また来年会えるよ」
サンタはそう、にっこり笑って指をパチンと僕とアンジェラの方にむかってならした。
僕は体が崩れるのを感じた。
何だか、意識が朦朧としていて凄く眠い。
僕はそんな意識の中アンジェラを見た。
アンジェラは、その場に崩れるように倒れ、気持ちよさそうにぐっすりと寝ていた。
それを見たら何だか余計に眠くなり、僕もぐったりとその場に倒れ眠ってしまった。
不思議と雪の上は全然冷たくなかった。
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