僕たちのキラキラ


もうお終いだ。
僕は雪の振る中、ツリーから……高いツリーから投げ出されてしまった。
このまま地面にたたきつけられるのかな?
せっかくキラキラが戻ったのに………。

「ナイジェル!!」

アンジェラが叫んでいる。
大体アンジェラが星を取っちゃうからいけないんだ。
僕は怖くなって目をつぶった。
何だか自分自身の動きがスローモーションに感じた。

「ったく、クリスマスの日に何やってんだか」

急に男の子の声がした。
そして、自分の体がふわりと浮くのを感じだ。

「ナイジェル! 見ろ!!」

アンジェラの驚いてる声がした。
僕は目を開けた。

「うわぁ!?」

僕はやっぱり浮いていた。
いや、浮いていたというより光の道みたいなものの上にいて、それがゆっくりと地面に降りていってるんだ。

「……え?」

僕は自分の目を疑った。
何でか、だって!!?
だって、だって……!!!

「怪我はないか? ナイジェル?」

さっきの声の男の子が言った。
男の子はツリーの横に浮いている赤い大きなソリの中にいた。
そのソリには8頭のトナカイがついていて、ソリの中にはさっきの子合わせて3人の男の子と白い大きな袋がいくつもあった。
3人の子の1人は真っ赤な服……つまりサンタクロースの服を着た銀髪の男の子だった。
他の子のうち1人は耳が尖がっている金髪の子で、最後の子は綺麗な鈴を首からかけていた。

「サ、サンタクロース!!?」

僕の声はきっとびっくりしていて、裏返っていただろう。
隣にいるアンジェラを見ると、あまりにも驚いて目が飛び出していた。

「おう! 俺がサンタだ」

サンタクロースの服装をした子がにかっと笑い、言った。
どうやらさっきのセリフもこの子みたいだ。

「ちょっと、サンタ! 遊んでる場合じゃないよ! 早く行かないと、朝までに間に合わなくなっちゃうよ!」

サンタの隣にいた金髪の子が言った。
サンタがいるってことは、この子は妖精?
耳尖ってるし……。
帽子で隠してるみたいだけどさ。

「相変わらずミチルはせっかちだなぁー。なぁ、ジェイク?」

サンタが苦笑し、後ろの席にいた鈴の子に同意を求めた。
ジェイクと呼ばれた子も苦笑した。

「そうだね、ミチルはせっかちすぎるね。でも、それはサンタがだらしないからだよ」

サンタはそう言われ、一本とられたーというように、おでこをパチンと叩いた。
何だか愉快な人たちだなぁ…。
サンタは急に真面目な顔をして僕らを見た。

「さて、ナイジェルにアンジェラ」

僕らは急に名前を呼ばれてびっくりした。
何で名前知ってるんだろー?
サンタ一行は、ソリを僕らの近くにおろした。
なんだか、夜なのにキラキラしていてピカピカしていて、ウキウキしていて明るい気分になった。

「キラキラを戻してくれてありがとう」

サンタはにっこり笑ってそう言った。
ミチルとジェイクも笑っていた。
僕らは黙り込んでしまった。
雪がキラキラ光っているように見えた。



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