本を持ち歩く子供の話
ある時、ある道。
1人の子供がいた。
子供は大きな本をわきに抱えて立っていた。
「ねぇ、お兄さん。ちょっと本を読んでいかない?」
その道を通った際、オーリーはその子供に声をかけられた。
「なんだい?」
オーリーは明るくその子供に返す。
子供もオーリーに明るく返す。
「本だよ、本。とってもいい本だよ」
子供はにこにこ笑う。オーリーもにこにこ笑う。
「読まなくてもわかるよ。本に悪いものはない」
子供はそのセリフを聞いた時、嬉しくてにっこりと笑った。
子供が持っている本は白紙でした。
子供の本はこれから作られる物語でした。
オーリーはそれが嬉しくてしかたありませんでした。
「お兄さんの本はどんな感じ?」
子供は問う。
「私の本の物語は終わりだよ。あと、家に帰って終わりだよ」
「そうなんだ。じゃあ、僕がお兄さんのあとを引き継いでもいい?」
「いいとも。嬉しい限りだよ」
子供とオーリーは約束をしました。
そして、子供はそこから離れ、物語を作りに行きました。
オーリーは故郷に帰り、幸せに暮らしました。
ブランシェと家族と共に。
END
BACK|モドル|
オーレリアン物語、これにて完結です。
いくつもの話で出来た物語を書きたかったのです。
そして、いくつかのパターンがあり、終わりへと近付いていきます。
ちょっと童話っぽいのを目指したのですが、どうでしょうか?
2010.11.5
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