カノープス


キラキラ光る星たちは、
僕の思いを聞いて何を思うだろうか。



オリオンが居なくなって二年が過ぎた。
僕とポラリスは、あの時のオリオンの歳になり、子供部屋を出た。僕たち一人一人に部屋が与えられたんだ。
最近は、将来のことも少し考えるようになった。背だって伸びたんだから。

ペテルギウスとリゲルはこの二年間ですばるを抜け、魔力を返した。
もう、魔法は使えないけど、二人は幸せそうだよ。
リゲルは両親に会いに行ったりもしている。
オリオンにもう一度会えたら両親と一緒に暮らそうと思っているんだって。

シャウラはスリをやめ、お姉さんのシャムと大人たちと一緒にマジメに働いているらしい。
北斗七星のメンバーは、まだ何人かがすばるに残っているみたいだけど、年長者のミザルとメグレズはすばるを抜けた。
今ではアルカイドと一緒に普通の学校に通っている。

ペテルギウスは、オリオンの居場所を探しながら勉強をしている。
何か、やりたいことがあるんだって。教えてくれなかったけど。
ベラトリックスは、あの星の住みかで一人時が止まってしまったかのように、オリオンの帰りを待っている。

僕たちも色々変わったよ。髪形を変えたから間違えられなくなったしね。

「カノープス、いるー?」

僕は自分の部屋で学校の宿題をやっていた。
宿題をやっているっていっても、わからない問題だらけで唸ってただけなんだけど。
そこにポラリスがやってきた。僕たちの中で変わらないことがあるとすれば、ポラリスは勉強が出来て、僕は運動が出来るってことかな。
もう、ポラリスが僕を押しのけて先に生まれたとか、そんなのはどうでもいいよ。

「どうしたの?」

ポラリスは僕のベッドの上に座った。

「カノープス、バスケ得意じゃん。今度教えてほしいんだよー」

ポラリスはそう言って、僕のベッドの上に置いてあったやり掛けのルーミックキューブをやりはじめた。




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