カノープス

そういえば、体育の授業はバスケだっけ。
僕はよく友達とバスケして遊んでいるけど、ポラリスはそういったことはしないからな。
僕がのん気にしている間も、何か難しい本を読んだり、勉強をしたり、コンピューターをいじったりしている。
どれも、僕には出来ないことだ。ポラリス、宇宙飛行士になりたいんだって。
多分、僕たちが間違えられなくなったのは髪型だけじゃなくて、体格や服装のせいもあると思うんだ。 「うん、いいよ。明日学校休みだしね。教えてあげる。バスケならペテルギウス上手いから、リゲルも呼んで皆でやろうよ」

僕は宿題のノートを閉じ、ポラリスの方を見た。回る椅子だから、楽だね。

「ペテルギウス、身長高いもんね。きっと、オリオンも上手かったんだろうなぁ」

そう言ったポラリスはどこか寂しそうだった。
僕も、ポラリスもオリオンとバスケをしたことはない。
でも、オリオンは何でも出来て運動神経も良かったから、上手かったに違いないと思うんだ。
それで、うっかり遅くまで遊んじゃって、ベラトリックスに怒られるんだ。

「ポラリス……」

僕はポラリスを見た。
ポラリスは出来たルーミックキューブを投げ出し、僕を見た。

「僕たち、今同じことを考えていたね」

そう言ったのはポラリス。そうか、ポラリスもオリオンのことを考えていたんだね。
オリオン、どこに行っちゃったんだろう。僕たちを、皆を置いて。皆、オリオンの帰りを待っているんだよ?



BACK|モドル| >>NEXT