大空のむこう


サンシャインからホワイト・ブルーまで20日くらいかかった。
実は、俺とレンさんは1日サンの家に泊ったんだ。
それで、次の日に別れたってわけ。
で、その後すぐにホワイト・ブルーに向かうには向かったんだけど、サンの我侭につきあって、途中いろんな町に寄ったんだ。
それと、車で寝るのは嫌だとかちゃんとしたとこで食事がしたいだとかで、ホテルに泊ったりした。
で、ホワイト・ブルーについたのが、入学式の3日前。

「さっき掲示板見てきたんだけど、俺とクウ一緒の部屋だった」

サンが学園の地図を見ながら言った。
学園の中はかなり広かった。学園というより、城とか屋敷って感じだと思った。
でも、そう思ってるのは俺だけかもね。

「俺もさっき見た。学籍番号近かったみたいだね。あと、確かもう1人知らない人も一緒の部屋だったよね?」

そう、寮は3人部屋で学籍番号順。
まったく知らない人じゃなくて、サンがいてよかったとほっとした。
怖い人とか不良だったりしたら嫌だもんね。


あ、因みに“空の果て”というとなんでホワイト・ブルーかっていうのは、ここが一番飛行技術に長けてるんだ。
操縦したり、作ったりね。
まぁ、でもその分お金もかかるし、頭もよくなきゃいけなんだけどね。
ほら、超難関って言われてるから。


「クウって貧乏そうに見えるけど、結構家は金持ちなんだ?」

突然サンが言った。
何かちょっと俺はむかっときた。
確かに俺みたいな貧乏そうな服装をしてたら、サンみたいな奴は聞きたくなるかもね。

「俺の家は貧乏だよ? 農家出身で凄く田舎だしね」

俺はあっさりと言った。
実際俺は自分の家や村に誇りをもってる。
誰に言ったって恥ずかしくないさ。

「え? じゃあどうやって学費払ってんだよ?」

サンが不思議そうな顔で俺を見た。

「あれ? 言ってなかった? 俺、特待生だから学園関係のことは全部免除。まぁ、そのぶん成績悪かったらだめだけどね。でも、それは問題ないよ。ここの入試結構簡単だったから」

俺はサンにそうだよね? と同意を求めた。
でも、サンはポカンと口をあけて、驚いていた。

「簡単だったよね?」

俺はまた同意を求めた。
だが、サンは首を横に振り続けた。

「すっげぇ難しかったぞ! 俺、すっげぇ勉強したもん!!」
「きっとやり方がわるかったのかもよ?」

そんな話をしながら、寮の部屋の扉をあけた。



モドル|>>NEXT