隣の斉藤君


2008年6月8日    雨降ってるんじゃね?


俺のクラスに変なやつがいる。
小学校から一緒の奴で、家は隣。今となっては席も隣。
そんな俺は野球部の清川ってんだ。





その変なやつの名前は斉藤。いつも変なことを言ってる。
授業中もこの間

「この教科書たちは、えらい。落書きされても嫌がらない」

とか言っていた。
自転車についてだって

「お前のは女の子の自転車?」

って聞かれた。そんなこと、俺にわかるわけがない。そもそもなぜ俺にそんなことを言うのか。
もちろん斉藤が小学校からあんな奴だったっていうのは知っている。
だけど、今の俺は甲子園を目指すためとにかく忙しい。へんなことをして邪魔しないでもらいたい。
なのにあいつは相変わらず変なやつだ。
そいいえば、何か米の話もしてた。米生がどうのこうのって。
山元のやつもよくあんな変なのに付き合えると思う。
俺だって、別に斉藤が嫌いってわけじゃない。見てて面白いし。ある意味クラスのムードメーカーだ。
とにかくあいつの変ぶりは有名なんだ。





この間、担任の先生にも変なことを言っていた。しかも、授業中に。
黒板について語ってた気がする。それで、クラスは大爆笑のうずにつつまれる。
相変わらず変なやつ。遅刻も多いし。





俺は遅刻なんてしない。朝の練習もあるし。
こうみえて野球部は忙しいんだ。なんにせよ、甲子園を目指すからな。
斉藤も昔はよく一緒の野球をした。あれで、あいつは野球がうまいんだ。
できれば野球部に入ってほしかったんだけどな。





相変わらず朝から斉藤の奴は騒がしい。
あんなに騒がしいやつもいない。
この間遅刻したときあいつが何ていったか教えてやろう。

「うちの自転車がナンパしてました」

って言ったんだ!! 先生もびっくり。斉藤は続けた。

「あと、カラスとゴミの対決の審判をしてました」

とも言った。先生は呆れてたね。





そんな斉藤を俺は観察してみることにした。見てる分には面白いからな。



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