隣の斉藤君


2008年7月22日    晴れ。暑い。


あいつは、また遅刻した。 しかも、そのあと先生のことをじーっと見てると思ったら貧乏ゆすりを始めた。
先生はそのことに気付いて、少し困っているようにみえた。
あの先生、子供みたいななりで性格もあんなんだけど野球はうまい。
子供みたいだけど、そこは尊敬する。なんたって俺たちの顧問だ!



実は、先生の好物はプリンだ。子供と一緒。
そんで今日は購買でプリンが発売される。1限が終わったあと買いに行かなければなくなってしまうくらい人気だ。
だけど、佐藤の奴がいつも授業を終わらすのをおそくする。そんで、斉藤の貧乏ゆすりは酷くなる。





ぶっちゃけ迷惑だ。 やっと授業が終わり、斉藤すごいスピードで購買にいった。それとほぼ同時に隣のクラスの野球部連中がプリンを持ってやってきた。

「清川、プリン買ってきた!! 野球部を集めろ!!」

そうだ。野球とはチームプレー。チームワークが大事だ。
と、いう正論のもとに先生が発案したものだ。早く終わった人はプリンを買ってくることって。
まぁ、こうして先生も俺たちも苦労せずにプリンを手に入れられるんだがな。





暫くして、斉藤が帰ってきた。どうやらあの落ち込みからするとプリンは手に入らなかったみたいだ。

「あれ? プリン、1つ多いよ? 先生が食べちゃっていいのかな?」

たった今、プリンをぺろりと平らげた先生が1つ余っているプリンを見てそういった。
教師がそんなに食欲旺盛でいいのか、食意地はってていいのかと思う。

「あ、斉藤。プリン、あまってるけど食べるか?」

俺は魔の手を伸ばしている先生の手からプリンを奪い、斉藤に渡した。
斉藤は俺たちの方を見た。そして、ものすごくうれしそうな顔をした。



こいつ、そんなにプリンが好きだったっけ……?
先生は少し残念そうな顔をしているが、教師だけあって特に何も言わず、次に授業でもあるのか教室を後にした。





それから、放課後。斉藤が野球部の部室に来て意味のわからない話をして帰って行った。



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