隣の斉藤君


2010年 02月14日    久々の晴れ。


夜、突然斉藤に呼び出された。何の用だ? って聞いたら、学校に来いと言われた。
行ってみると、斉藤が待っていた。
ホント、いったい何の用なんだ? わざわざケータイじゃなくて家の電話にかけてくるなんて。
まぁ、ケータイに気付かない俺が悪いんだけどさ。


「何だよ、こんな夜中に」

夜中って言っても、まだ10時とかそのくらいだと思う。
10時じゃ、夜中じゃないな。でも、部活を遅くまでやってたから俺は凄く眠い。
てか、用があるなら家に来れいいのに。お隣さんなんだから。斉藤って、わかんない奴だよな。

「俺、これから記念の落書きをしようと思う!お前も一緒にしようぜ!」
「はぁ!!?」

斉藤が急に言い出し、俺はすっとんきょうな声を出した。
斉藤はいい笑顔だし、俺は今の発言で眠気が吹っ飛んださ! 斉藤、いったい何考えてるんだ。

「な、何で俺が!?そんなもん、三代川と一緒にやれよ!!」
「だって、三代川のやつ、家近くないじゃん。あいつ、電車通学だし。清川は見てるだけでいいよ」

いや、そうだけどさ。いやいや、違うだろ。やりたいなら、1人でやれよ。
でも、こんなとこで斉藤を1人残しておくわけにはいかないし。

「まぁ、いいけど。早く終わらせろよ」

結局俺は斉藤の奴に付き合っちゃうのさ。


斉藤は、自転車に乗ったまま、俺を校舎裏につれていった。
校舎裏なんて、あんまり来たことがないから少し新鮮。

「よし、この辺がいいだろう」

斉藤は、持ってきたのかスプレータイプのものをカバンから出した。
てか、斉藤もよくやるよな。昔から、こんなんだったけどさ。

「何て書くんだって、もう書いてんのかよ!!」

斉藤の奴、いつのまにかもう落書きしてるよ!!って、しかも、斉藤って書いてないか?
こいつ、本当に何考えてるんだ?

「やっぱり、ここは斉藤って書かなきゃな!」

やっぱりって、根拠や基準は何だ? 意味不明。てか、帰りたい。

「ほら、もういいだろ。帰るぞ」
「もー帰るのかよー?」

結局俺は、斉藤を置き去りにして、先に帰ってしまった。


でも、何だかんだで俺はこの場所が気になってしょうがなくなった。




END




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これにて隣の斉藤君は終了です。清川君、意外と好きだな。
斉藤君シリーズが完結です。

書いてて楽しかったなぁ。

2010.2.14