僕と蝉と向日葵と


8月4日 朝から昼にかけて。
この日、お父さんとお母さんは朝からお墓参りに出かけた。
いつもなら僕たちも行くはずなんだけど、今回はお母さんにお留守番してなさいって言われたんだ。

「お墓参り……きっとお兄ちゃんとおじいちゃんのね。でも、何で今年はつれてってもらえないのかしら?」

お姉ちゃんは相変わらずブツブツと何かを言っている。

「末石って人も相変わらずだし……。ちょっと、明どこにいくの?」

僕がお姉ちゃんの文句に耐えかねて、部屋を出て行こうとするとそう言われた。どこだっていいだろっ!
って言いたかったけど、お姉ちゃんが僕のことをにらんでいたからやめた。
どうしてお姉ちゃんはいつも機嫌が悪いんだろう? だからといって僕にあたるのはやめてほしい。

「おばあちゃんのとこ」

別に嘘ではない。本当に僕はおばあちゃんのとこに行こうと思っていたんだ。
そう言い、僕は部屋を後にしたんだけど、お姉ちゃんもついてきた。これは予想していなかったことだ。

「そういえば、おばあちゃん風邪ひいてるみたいよ。この間咳こんでいたもの。もしかしたら、お母さんはおばあちゃんが心配だから今回は私たちに留守番してなさいって言ったのかも」

お姉ちゃんにしてはずいぶん冴えていることを言ったと思う。うん、僕も多分そうだと思う。いや、きっとそうだ。

「「おばーちゃん」」

僕とお姉ちゃんはほぼ同時にふすまを開けた。もちろん、おばあちゃんの部屋のだ。おばあちゃんは咳こんでいなかった。

「「おばあちゃん!!?」」

部屋を開けて僕とお姉ちゃんはびっくりした。
だって、おばあちゃんが血を吐いて倒れていたんだもの!!
いつ血をはいて倒れたのかはわからない。でも、おばあちゃんは倒れているんだ!!

「おばあちゃん!!」

僕はおばあちゃんに駆け寄った。おばあちゃんは気を失っているみたい。もしかして、このままおばあちゃんは……?

「電話よ!! 救急車!!!」

お姉ちゃんはそう叫び、電話のもとにむかった。救急車を呼んだあと、お母さんの携帯にも電話した。
お母さんはすぐに電話に出たらしい。そして、すぐに帰ると言っていたらしい。
でも、お母さんたちが帰ってきたころには僕たちは病院にいて、おばあちゃんは検査をうけていた。



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