ベラトリックス


私はオリオンについて行った。オリオンも良いって言ってくれたし、この孤児院を出たかった。
私は自分の家族を知らない。だから、この日からオリオンたちが私の家族になったのだ。
家族を守るのは当たり前。ペテルギウスからあの話を聞いた時、彼を守ろうと決めた。



「母親ってそういうものなの?」

私はペテルギウスに問うた。私はオリオンと違う意味で家族を知らないから、母親がどんなものかもわからない。

「いや、普通母親っていうのは、何があっても自分の子の味方をしてくれるもんだよ。 少なくとも俺の母さんはそうだった。リゲルの母さんみたいに何かがおかしくなって、 ああなっちゃう人もいるみたいだけど、基本的には母親は無条件で自分のことを守ってくれるはず」

ペテルギウスはそう言って黙り込んだ。オリオンとリゲルが双子の家に行っていて良かったわ。
こんな話、あの二人には聞かせられない。

「手がかりは黒い髪の女の人……オリオンの居場所はバレているのかしら?」
「わからないけど、魔法を使えば場所を特定することくらい簡単だよ。もしかしたら、町で会うかもしれない」
「そうね、気をつけないと」

私とペテルギウスはお互い顔を見合わせて頷いた。
その談義が終わった後に、オリオンとリゲルが帰ってきたわ。双子を連れて。
皆、何だか少し寒そうね。もう、春なのに、まだこうやって寒い日がある。雪も溶けてない所もあるし、困ったものね。

私たちは色々なことを話したわ。双子の学校の話や、魔法のこととか。
私はいつも聞いていることが多いけど、彼らの話はいつも楽しいわ。話し方も上手いしね。  



BACK|モドル|>>NEXT