王子に恋した小鳥の話


嘘かホントか解らぬ話。

小さな青い小鳥がおありました。小鳥は怪我をしておりました。
青い鳥は珍しい。だけど、王子はそんな小鳥を出当てし、空に返してあげたのです。
青い小鳥はその王子の優しさに触れ、王子に恋をしてしまったのです。





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オーリーは今日も歩く。
白い犬の愛犬、ブランシェとともに。





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青い小鳥は毎日のように木の上から王子を見ていました。
これは、青い小鳥の怪我が治ってから解ったことですが、王子は病を患っていたのです。
青い小鳥は何かしてあげられないかと王子のことを見ていました。





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オーリーはある国についた。
ブランシェとともに。





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青い小鳥は自分がただの青い小鳥ではないことを知っていました。
ですが、青い小鳥は王子の傍にいたいがために、なかなか決心がつかなかったのです。





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オーリーはその国で空を見上げる。
ブランシェとともに。





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ある日、王子の病が悪化しました。
それは、あの青い小鳥の耳にも入ってきました。
青い小鳥がみた王子は、とても苦しそうで、青い小鳥はついに決心しました。





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オーリーは青い空に雲を見つける。
ブランシェとともに。





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それから、王子の病は治り、元気になりました。
ですが、青い小鳥の姿は見えません。
ある日、青い小鳥がいつもいたところに王子は白い小鳥を見つけました。
王子には解りました。すべてが。
王子がその白い小鳥に笑いかけると、白い小鳥は飛び立ち雲になってしまったのです。





***





青い小鳥の話。
青い小鳥は幸せの証。
だが、空にとけこんでいるため、姿は見えない。
空は青い小鳥そのもの。青い小鳥の群れなんだ。
そして、誰かの幸せを叶えると、色を失い青い小鳥は雲になる。





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オーリーは空を見上げる。
ブランシェとともに。
白い小鳥に思いを馳せながら。



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