02月03日


さらに冷え込むとそれはやってくる。(冷え込まないとこもあるが)
でも、僕が行ったところは冷え込んでいたんだ。
今回はあそこに行く。あの鬼が住む場所、鬼ヶ島に行くんだ。


何で、この日に行くかって? だって、今日は節分じゃないか。
でもこの間ハロウィンの日記を書いたって? でも、今日はまさしく節分なんだよ。
そして僕はかの有名な赤鬼さんの目の前にいる。


鬼ヶ島は黒い岩がたくさんあり、ゴツゴツした感じだ。それで、海のその大きな黒い岩が浮いているって感じなんだ。
皆、怖いだとか不気味だとか言うけど、僕にはそんな感じはしない。
さて、赤鬼さんはウェディングケーキのようなデカイ図体で僕を見下ろしている。

「何だ、おめぇ俺だつに豆、ぶつけに来たんかぁー? 俺だつ、何もしてねぇのに、退治ばっかされて疲れてるんだす。その前に、おめぇ誰だ?」
「僕はセト。世界の果てを目指して旅をしているんだ」

赤鬼さんは、そうため息をついて座った。僕も座った。いつも通りニコニコしてるけどね。
赤鬼さんが、座った瞬間地面が揺れて、僕は飛び上がった。宙に浮いたんだ。

「別に節分が悪い何て言ってねぇ。節分は、もともとは季節を分けるだ。たんだ、俺だつ鬼の中にも色々おる。鬼神って言われてるのもいる。もちろん、悪霊と呼ばれてるのもいんだ。だが、俺だつは悪くねぇ。なのに、皆退治しにくるんだす」

赤鬼さんはうんうんと頷いた。

「赤鬼さんは内に入りたいの?」

僕は赤鬼さんを見上げた。首がいたい。

「あたり前だす。入れてくれたら恩返しだってするだす」

赤鬼さんは、またうんうんと言った。
これだけ体格とか違うと、赤鬼さんの声が凄く大きく聞こえる。

「んだばぁ。これを、おめぇにやる」

赤鬼さんは、岩で出来た鬼の置物をくれた。
もちろん、僕サイズの人が普通に小物として使える感じのだ。
トラジマの服もちゃんと着ている。

「これ、赤鬼さんがつくったの?」

僕はそれを受け取り、鞄の中に入れた。

「んだ。最近ちっさいのに凝っててなぁ」

赤鬼さんは、そう言って笑った。
ここで、僕たちは別れた。
鬼さんは悪者ではなかった。
うん、いい事ありそうだ。







随分季節はずれな話だろうと、皆思ったはずだ。
だが、セトの日記はこうなっていた。いや、何故ハロウィンの次に節分がきているのかも謎だ。
セトが何故このように季節はずれの日記を今になって書いたのか、私は不思議でならない。
そして、セトは今回皆から虐げられている鬼たちに会った。
これは何を意味するのか? 私は気になってしょうがない。



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