10月30日


太陽が出ている時間が短くなると、それはやってくる。(短くないとこもあるが)
僕が行ったとこは全部太陽が出ている時間が短くなっていたんだ。
今回はあそこに行く。あのジャック・オ・ランタンが住んでいるところに行くんだ。


何でこの日に行くかって? だって今日はハロウィンじゃないか。
でも、この間クリスマスの日記を書いたって? でも、今日はまさしくハロウィンなんだよ。
そして僕はジャック・オ・ランタンの家の前に来ている。


ランタンが住む場所は暗い森の中。でも、木にはたくさん甘いお菓子が木の実みたいになっている。
さて、どうやって家に入れてもらおうか。やっぱりこれだよね。

「トリック・オア・トリート!」

僕はそう言い、ドアを開けた。そうするとすぐにカボチャ頭の怪しい奴がたくさんのお菓子を持ってやって来た。

「んー…まさかこのオイラがそれを言われるとは……」

そう、今ブツクサ言ってるこいつこそがジャック・オ・ランタンだ!
奥の方を覗くと他にも人がいるみたいだ。

「この辺じゃ見ない子だねぇ?」

ランタンは僕のことをまじまじと見た。

「僕はセト。世界の果てを目指して旅をしているんだ」

僕はいつもどうりににこにこ笑いながら言った。

「ふーん、世界の果てねぇ……」

ランタンは興味なさそうに言ったが、何かを知っている口ぶりだ。
もちろん僕は知ってるの? と問うた。そしたら、ランタンは

「あそこは寂しいところだよ、何もないし」

と言った。
まぁ、僕は自分の目で確かめるしなんとなく場所も解るからそれ以上は聞かなかった。

「そんなことより、トリートでいい? もう、ハロウィンも終わるし。流石にトリックする身であるからトリックは……」

ランタンはうーんと唸りながら言った。もうちょっと早く来てあげればよかったかな?

「どんなお菓子があるの?」

僕はランタンの持っているお菓子を見た。
うん、僕はお菓子が大好きだ。いつだってショーとケーキのような気分が味わえる。
実際トリックよりトリートだ。

「色々あるよん。特別サービスで木になってるお菓子を取っていいよ」

ランタンはそう言い、木になってるお菓子を指さした。
僕は指の先を見た。めずらしーお菓子がいっぱいだ!
ランタンの持っているお菓子より珍しいかもしれない。

「あのお菓子がいい」

僕は赤いリンゴを指さした。もちろん、これは果物のリンゴではない。
どんなお菓子かわからないけど、お菓子だ。

「いいよん」

ランタンはそう言い、鎌でリンゴを枝から切り僕に渡してくれた。
リンゴの表面は砂糖みたいのがかかっているのか、キラキラ輝いていた。それも七色に輝いている。
僕はそのリンゴを鞄の中に入れた。不思議とそのリンゴはベタベタしてなかった。
鞄を開けると、クリスマスで貰った雪ダルマが見えた。
ランタンとは、そこで別れた。うん、いい事ありそうだ。







随分季節はずれな話だろうと、皆思ったはずだ。
だが、セトの日記はこうなっていた。いや、何故クリスマスの次にハロウィンがきているのかも謎だ。
セトが何故このように季節はずれの日記を今になって書いたのか、私は不思議でならない。
そして、セトは今回世界の果てを知ってる人たちに会った。
これは何を意味するのか? 私は気になってしょうがない。



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