消える大地


僕は歩く。歩いたところから消えるように大地がなくなっていることに僕は気づいていた。
草木は枯れ、すべてが崩壊を迎えようとしている。
僕は走る。今や、なくなりかけている地平線を目指して。
大地が消える前にあそこに行けるようにと。
ここは“土の都”とよばれる場所。

「おまえさん! どこに行くんだい!?」

今や誰もいなくなった“土の都”で1人のおばあさんに呼びとめられた。

「そっちには、何もない。全てがなくなってしまったんだ。この大地もいずれ消えるだろう」

このおばあさんにも見えていた。でも、1つ間違っている。

「おばあさん、この先には“果て”があるんだよ。僕はそれを見に行く!」

僕はまた走った。その時、足元の大地が崩れ、足場も悪くなりもう大地と呼べる代物ではなくなっていた。
こうして、世界は崩壊を迎えていく。
何もなくなっていく。今まで、人々が自然や生態系を壊したことを罰するかのように。

僕は消える大地の上を走った。
僕には翼がない。だから、僕は走った。
どこまでも、どこまでも……世界の果てへと。







この日記はずいぶんと短い。
ついに終わりを迎えようとしているからなのか? 私にはそれはわからない。
だけど、終わりは近いのだけは私もわかる。
この先セトはどうなってしまうのか? 私はその結末が知りたい。



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