大空のむこう
俺たちはサンシャイン駅に戻ってきていた。
もう夕方なせいかさっきより人が少なくなってきていた。
「ゴミ屋敷っていうのはどこだろ?」
俺は周りをキョロキョロ見ながら行った。
駅を降りたとき、踏み切りのこっち側…つまり俺たちがいる方は、そんな家なかったと思うけど…。
レンさんがいつのまにか、近くを通ったおじちゃんと何かを話している。
話が終わると、俺のことをレンさんは呼んだ。
「何かわかりました?」
俺はレンさんのところに駆けて行った。
「あぁ、ゴミ屋敷は踏み切りのあっち側だそうだ。だが、そこに人は住んではいないみたいなんだ。そのゴミ屋敷には1人のおじいさんが住んでいたみたいだか、2週間くらい前に死んでしまったらしく気味悪がって誰も近づかないんだ」
レンさんはいつもの手帳に走り書きをしながら言った。
「じゃ、今でもおじいさんの死体があるってことですか?」
あれ? でもそうすると、どうやっておじいさんが死んだってことがわかったんだ?
誰も近づかないのに…。
「問題はそこなんだ。ちょうど1週間前、おじいさんの息子と名乗る人が屋敷に入り、それで亡くなったのがわかったんだ。おかしいと思わないかい? サンくんは臭くて嫌だと言っていた。だが、外にあるゴミ捨て場から家の中まで悪臭がすると思うかい? 私が考える推理はこうだ。犯人はどこかでゴミ屋敷とサンくんのことを知り、屋敷を使いたいためにおじいさんを殺害。そして息子と偽り屋敷に入る。“父は自分で供養します。この屋敷のことも任せてください”とでも言ったんだろう。そうすれば皆ほっとする。誰も近づきたくないからな。その後、サンくんを誘拐。きっと眠らせて、屋敷まで連れてったんだろう。そうすればどこにいるかわからないからな。写真を見る限りではサンくんのいる部屋は綺麗だった。臭いはこびりついたものと、隣の部屋からのものだろう」
なるほど!それなら納得がいく!
俺でもわかった。
「あ、でもゴミ捨て場ってあの子は言ってたけど? 臭いだけだったら、そんな事言わないよね?」
俺はレンさんの話にわりこんだ。
「それは外を見たらゴミがあったから勘違いしたんだろう。踏み切りが2つあるが、犯人はこっちの踏み切りを指定してきた」
「じゃあ、あの子はゴミ屋敷に…いる?」
俺はおずおずと聞いた。
「そうゆうことになる。行くか?」
レンさんは少し緊張した感じで聞いた。
俺は頷いた。
もうすぐ事件解決だ!!
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