大空のむこう


俺たちはゴミ屋敷についに来た。
うん、皆は来ない方がいいね。

「臭っ!! 超臭い!! 鼻、死にそう!!」

レンさんが鼻を押さえながら言った。顔が歪んでるよ、レンさん。
でも、そうなんだ。本当に臭いんだ、顔が歪むほどに。
生ゴミから資源ごみ、ゴミと呼ばれるあらゆるものが捨ててある。
今にもゴキやらネズミが出てきそうだ。
サンって子はずっとこの中にいたんだ。俺だったら…耐えられない。

「クウ坊、中に入るぞ。変な虫とかいるから気をつけろよ」

レンさんは、足の踏み場を探しながら屋敷の中に入っていった。俺も後に続いた。
途中、足の上をムカデみたいのが通ったのは気付かなかったふりをした。
ゴキじゃなくて良かったね!
玄関の扉を開けるのも一苦労だった。
開いたには開いたんだけど……。雪崩のようにゴミが崩れ落ちてきたんだ。
しかも、それは最悪なことに…全部生ゴミだった。

「うげー最悪〜〜!!」

俺は自分が悪臭にでも包まれてる気がした。てかしゃべっただけで、苦しいんですけど…。
俺とレンさんはさらに奥に進んだ。
トイレを発見した。
俺とレンさんは、そこで手を洗うことにし、おそるおそる手を洗うとこの水道の蛇口を捻った。
……水が出なかった。そういえば、外が暗いせいか、屋敷も電気がつかないため凄く暗くなってる。
俺たちはゴミを避けながらどんどん奥に進んだ。
あるドアの前についた。そのドアの下の隙間から、少しだけど光が漏れているところがあった。

「レンさん! あそこ、光ってる!」

俺は、ドアの方を指した。
レンさんはその光をじっと見ていた。

「きっとこの中にサンくんがいるはずだ。クウ坊、覚悟はいいかい?」

そう言い、レンさんはドアノブに手をかけた。
俺は頷き、ドアを塞いでいるゴミをどけた。
手がまたばっちくなった。

「開けるぞ」

ゴミがどかされると、レンさんはゆっくりドアノブを回し、ドアを開けた。
そこにいたのは…。
ゴミが全然ない部屋で、俺とレンさんが見たものとは…。


  BACK|モドル|>>NEXT