大空のむこう


俺は先生の部屋に中々たどり着くことが出来なかった。
軽く3時間くらいはかかったんじゃないかな?
でも、たどり着けたからよしとしよう。

「す〜は〜……」

俺は先生の部屋の前で深呼吸をしてから、ノックをした。

「はい、どうぞ」

懐かしい先生の声がした。
俺は呼吸を整え、ドアを開け部屋にはいった。

「先生! 久しぶり!」

俺は元気よく先生に挨拶した。
先生はゆっくりと俺の方を見た。

「あぁ! 君は……久しぶりだね、クウ君。そうか、そういえば今年入学だったね。入試は簡単だったかい?」

コウ先生は昔のように朗らかに言った。
コウ先生は、俺の父さんの知り合いで、ホワイト・ブルーの先生をしてるんだ。
父さんが“空の果て”を探しに行く前、つまり……まだ、俺が小さかったことに俺の村に来たことがあるんだ。
その時に飛行機の操縦の仕方とかを色々教えてもらった。

「う〜ん、それなりに難しかったよ。コウ先生に会ったときから勉強してなかったら受かってなかったかも」

俺はえへへと笑った。
先生はにっこり笑い、俺の頭を撫でた。
といっても、帽子の上からだけど。

「そうか、よく頑張ったね」
「もー。先生、俺はもう子供じゃないんだから子供扱いしないでよー」

俺はむぅとふて腐れた。
それでも先生は朗らかに笑っていた。

「先生ー授業はいつから始まるのー?」

俺は先生が座っている向いがわの椅子に座った。
先生は何か書類のようなものを書いていた。

「入学式の次の日にガイダンスがあるからね。それから検診とかがあって、授業は始まるのは入学式から1週間後ぐらいだよ」

先生はそう言い、紅茶をいれてくれた。

「1週間かー、早く勉強したいなー」

それから俺と先生は色々なことを話した。
帰りは先生に寮まで送ってもらった。



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