大空のむこう


そんなこんなで、入学式の日がやってきた。

「やっべー……緊張してきた……」

セイは、そんなことを言いながら挙動不審になっている。
いや、他の子たちも少しざわついている。
皆、ちゃんと制服を着てる。といっても、この学園白いワイシャツにローブだけが指定されてる。あとは何でもいいらしい。

俺も何だか緊張してきたなぁ。
にしても、セイは挙動不審すぎ。サンは相変わらずだし。
皆、様々な思いを抱きながら入学式が始まった。
でも、びっくりしたことに入学式はあっというまに終わってしまった。
まじかよ―――!!!

「何か、早かったな」

そう言ったのはセイだ。
確かに、何だあの早さは。学園長が一言言って終わりじゃん。
しかも、ガンバレと。
あれ、サンがいない。どこ行ったんだろう?

「サンは?」

セイが俺と同じ疑問を投げかけてきた。

「おい、クウにセイ。ちょっと来てみろよ」
「うおっ!? サン!!?」

俺とセイで、迷子にでもなったのかと、サンを探しているとタペストリーの中から出てきた。
俺とセイは驚いた。セイなんか、飛び上がるほど驚いたんだ。
とりあえず、俺たちはサンについていきタペストリーの中に入った。

「うわぁ……」

そこは、まるで隠し通路のような道になっていた。てか、サン。何でこんなの見つけたんだ。
暫くいくと、扉が見えてきた。サンはその扉を開けた。
って勝手に開けていいのかよ!!

「ほら、見ろよ」

サンが中に入り、俺たちもそれに続いた。

「え!?」
「何、これ!!?」

俺は自分の目が何か変なものを見てるのか、と思った。
その部屋の床には、何か……よくわからないけど、魔法陣みたいのが描かれていた。
壁にだって、壁全体に地図みたいのが書かれていた。

「これ、何の地図なんだろう? こんな地図、見たこと無いなぁ?」

俺は地図全体を見渡せる位置……つまり部屋の真ん中に行った。
ちょうど、魔法陣の真ん中でもある。

「おい、クウ!! お前、浮いてるぞ!!?」

サンが驚いた声を出した。
浮く? サンは何言ってるんだよ。
俺はそう思い、一応自分の足元を見た。

「えぇっぇええ!!!?」

確かに、地に足が……ついてない!!
何で!!!?

「ちょ、どうなってるの!? サン、セイ助けて!!」

俺は空中で、ジタバタともがき悲鳴に近い声を出したが、現状は何も変わらなかった。
2人もどうしたらいいのか、わからなくなっていた。
とにかく俺たちはパニックになっていた。

「貴方たち! 何やってるの!!?」

そんな中で、女の人の声がした。



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