大空のむこう


さて、俺は授業中、ずっとあの天魚について考えていた。
空にも魚がすんでいる。でも、空には海がない。いや、もしかしたら俺が知らないだけなのか? 雲は水みたいなものだし……。
先生は「空で何かあったのかな?」と言った。空には“空の果て”以外にも何かあるんだ。

時間はついに、待ち遠しい昼休みになった。
俺たちはすぐに先生の部屋に向かった。先生は紅茶を飲んでいた。

「先生! 約束どおり教えて!!」

俺は先生にくってかかった。だって、気になるし早く知りたいんだもの。

「わかった、わかった。3人共適当に座りなさい」

俺たちは先生の言ったとおり、イスに適当に座った。もちろん、俺は先生の正面だ。

「君たち、魔法陣のようなものが描かれている部屋にはいったんだろ? セスから聞いたよ」
「あの地図が書いてる部屋ですよね?」

先生の問いに答えたのはサン。先生はそうだと頷いた。

「あの地図は“浮島”の地図だ。“浮島”は空に浮いている島で、6つある。その6つの島の中央に城があると言われている。そして、その空の彼方に“空の果て”があると言われているんだ。あの魔法陣は天空人が教えてくれたんだ。私たち地上人が空に行くためのものだと」

やっぱり“空の果て”はあるんだ! 俺は何だか嬉しくなってきた。でも、“浮島”っていうのは聞いたことなかったなぁ。

「先生、天空人っていうのは?」

セイが挙手して問うた。うん、それは俺も気になっていた。

「天空人は天空に住む人のことだよ。“浮島”の住人だ。ある年齢にたっしたら、薄い水色の翼がはえる種族だ。昔の人は地上に降りてきた天空人を天使と呼んでいたらしい」
「翼以外は俺たちと一緒?」

俺は問うた。何だか、ワクワクしてきたぞっ!

「そうだ。だが、王家の人々は髪は濃い水色で、目が藍色。そうだな、クウの逆バーションだな」

先生は丁寧に説明してくれた。そういえば、セスさんと一緒にいたスクって子がそんな感じだった気がする。



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