大空のむこう
それから数日間、コウ先生の授業は休講になった。
どうやら、聞いた話によるとどこかへ出かけているらしい。帰ってきたら、どこに行ってたか聞いてみようと思う。もうすぐ、帰ってくるしね。
そんな数日間、俺たちは図書館に入り浸った。天空人とか浮島とか、色々調べるために。
でも、そんな本はなかった。あっても、数冊で詳しく書いていないものが多かった。
「なかなかねーなー、“空の果て”」
サンが伸びをして言った。俺が見る限り、サンは半分飽きていると思う。
俺も半分飽きてるけど……。
「でも、こんなに文献とかがないのにどーして、皆“空の果て”を知ってるんだろう?」
俺は首をかしげた。サンも、そーだよなーと同意した。
それから、2人で色々話し合って結局、口コミで広がったという結論に至った。それと、謎が多いほど人は、見たくなるという結論にも至った。
いったい、何人の人が今までに“空の果て”に行こうと思ったんだろー。
世の中は疑問でいっぱいだね。
「コウ先生は、行ったことがあるのかな? “空の果て”に」
サンが言った。
確かに、コウ先生は“空”に関しては本に載っていないことも知っている。行った人に聞いたか、実際に行ったかしか考えられない。
俺たちは、またうーんと唸って、考えた。
そして、出た結論が浮島には行ったことがある、だった。
「2人して、何やってんだ?」
セイがやってきた。レポート、提出し終わったんだな。
俺たちは、セイに今話してたことを話した。
「だったら、コウ先生に直接聞けばいいだろ。帰ってきてるぞ」
「「何!!?」」
俺たちはその言葉を聞き、大声を出した。2人でハモッてしまったためさらに大声となった。
その声のせいで、俺たちは他の人に睨まれ、謝りながら図書館を後にした。
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