大空のむこう
俺たちは廊下をバタバタと走った。何人もの先生に注意されたが、俺たちは「すみません!」と言いながらも走っていた。そのせいか、コウ先生の研究室につくころにはゼイゼイと息がきれていた。
「コウ先生!!」
俺は勢いよく扉を開けた。中に居たコウ先生はびっくりして、俺たちの方を見た。コウ先生は帰って来たばかりなのに、どこかへ行く準備をしていた。
「あれ? コウ先生、またどっか行くの?」
俺は、そのコウ先生の様子を見て言った。荷造りの感じを見るとどうやら長いこと出かけることが解る。
「あぁ、この前の会議でね、浮島に行くことになったんだ。君たち3人も助手として連れて行きたいんだがいいかな?」
コウ先生はにっこり笑った。「君たちはいち早く空の異変に気づいてくれたからね」と言っていたが、俺たちは3人は顔を見合わせてただ驚いていた。そして
「「「行く!!!」」」
と3人同時に答え、コウ先生がにっこり笑うのを見て思わず跳びあがってしまった。そして、そんな子供じみた行動をとってしまったことを俺たちは恥ずかしく思った。
「でも、随分と突然なんですね?」
サンが、クールなサンに戻ってそう言った。確かに俺もそう思った。
「うん。私もまさかこんな急だとは思わなかった。何人かの教授は浮島が堕ちてくるかも、と言うから。空からたくさんのものが降ってきたら地上も混乱するからね。君たちはきっと、行くと言ってくれると思ったから学園長には許可を貰ってあるからすぐ出発できるよ。と、いうか……すぐ出発なんだが……」
コウ先生の言葉を最後まで聞かずに俺たちは飛び出していた。そして、俺たちは必要だと思うものを適当にトランクに詰め込み、それをひっぱりながらもう一度コウ先生の研究室に戻った。トランクから服とかはみだしていたが、誰も気にしなかった。コウ先生も俺たちのスピードに驚いていた。
これで、やっと空にいけるんだ!! そう、思うとドキドキが止まらなかった。
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