大空のむこう


それから2日後に、1つ目の浮島についた。といっても、もう夕方だから、探険とかできないんだけどね。空船は港のようなところにとめた。そこには、たくさんの船があった。

「すごい! 地面がふかふかしてる!」

俺は、船からおりて最初の感動を味わった。そうなんだ。この足元は雲のようなものだからふかふかしているんだけど。でも、すごく不思議なんだ。長い間、生き物は雲に乗れないといわれてきたから。

「浮島は雲じゃないぞ。あくまでも島だ。感触も外見も雲のようになって、島が擬態しているのさ。騙されちゃダメだぜ」

俺の隣にいたリンがそう言った。もしかして、意外と博識なのかな?

「何だよ、見下してんのか? 空は海の敵。ちゃんと知っとかなきゃ、敵にはかてないのさ」

リンはそう、ケタケタと笑った。別に見下してはいないけど……リンの背が低いからリンにはそう見えるのかな? にしても、これでも2歳リンの方が年上だから少し驚きだよね。

「コウ先生、今日はどこに泊るんですか?」

俺たちの少し前を歩いているセスさんがコウ先生にそう聞くのが聞こえた。相変わらずスクはセスさんにべったりだ。でも、女の人が1人いるだけでこう、男特有のむさくるしさっていうのがなくなるから不思議だ。世界は不思議なことでいっぱいだね。

「ここから近くの宿屋に泊ろうと思っている。あ、スクはぼうしをかぶった方がいいね」

そう言い、コウ先生はスクにぼうしをかぶせた。スクはそのぼうしをさらに深くかぶった。
そういえばコウ先生が言ってたけど、スクの目と髪は天空人の王族だから、間違えられないためかな?

「にしても、あんまり地上と変わらないなぁ」

そう。レンさんの言うとおり。建物とかあんまり地上と変わらない。あの魔法陣もどこにもないし。もっとファンタジックなとこかと思ってた。
とりあえず、俺たちはコウ先生のあとに続いた。もちろん、その間俺やサン、セイはキョロキョロしっぱなし。そんな浮島だけど、やっぱり夜はくるわけで、太陽が沈むといっきに暗くなった。
俺たちは宿屋につき、その日は休むことにした。
ちなみに部屋割りは、俺・セイ・サン。それにコウ先生・レンさん・リン。そして、セスさんとスクだ。



BACK|モドル|>>NEXT