大空のむこう
青々とした洞窟は、少し不気味に見えた。
でも、俺たちは先に進んだ。そして、人がいた。数人の人が。やっぱり、ここにいたんだ。
中年の男の人と女の人がいる。スクと同じ髪の色、そして祈りを捧げているポーズととっている。
もしかして、この2人は……。
「お父様? お母様?」
スクが震える声で、そうつぶやくのが聞こえた。
王様たちは、ここでずっと島を支えていたんだ。でも、あの壊れた飛行機は一体?
中年の男の人が俺たちの方を見た。女の人も。
「スク……?」
祈りを捧げていた中年女性は、そう呟いた。
そして、その呟きを合図に、スクは2人に抱きついた。
少しだけ、羨ましかった。
王家は、しばらく再会の抱擁をしていた。
俺はそれを見ていて、再会の抱擁が終わったあと、王家は俺の方を向いた。
「あ、あの! ここは“空の果て”ですか!?」
俺は思わずそう聞いてしまった。
2人はニッコリと笑い、コクンと頷いた。
そうか、やっぱりここが“空の果て”なんだ! 俺は、ついに夢をかなえたんだね。
凄く、嬉しくて、いつのまにか飛び跳ねていた。
「貴方、何だかソラに似てるわね」
俺のそんな様子を見て、女の人が言った。俺は飛びはねるのをやめた。
「ソラは俺の父さんです。ここにいるんですか?」
俺は真剣な顔で聞いた。
でも、女の人……スクのお母さんは黙ってしまった。
スクのお父さんも、戸惑っているみたいだ。
「……彼は、私たちをここに連れてきてくれた。だけど、その時は悪天候で、彼は飛行機の墜落とともに亡くなってしまったんだ。外にある赤い花のあるところにいる」
頭を鉛で叩かれたようにグワングワンしている。
もしかしてって、思ってたけど。
俺は洞窟を飛び出し、そしてあたりを見渡した。
赤い花を見つけると、俺はバシャバシャと走って行った。後から、王家の人たちも付いてきた。
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