隣の斉藤君


2008年9月12日    すっげー晴れ。


今日は最悪な日だ。この間のテストが帰ってくる。
ぶっちゃけ俺はいつも80以上をとってるんだけど、今回は自信がない。
うちの野球部は文武両道だからそれなりの点をとらないと、レギュラーから外されるし……。
だけど、今回のテストは自信がない。
俺の苦手の分野だし、あんまり勉強してない……。



あ! 先生がやってきた!! 

「この間やったテストをかえすぞー」

え? もういきなりテストを返すの!!?
しかも俺って……結構呼ばれるの早いんだよな……。
あぁ……次から次へと名前が呼ばれていく。

「清川」

ついに呼ばれた!! 俺はソワソワと答案を取りに行き、ソワソワと席に戻った。
斉藤の奴が横から見ているような気もするが気のせいだろう。
点数は……73点か……。

「あぁー……やっぱり、勉強したんだけどなぁ……」

あぁー。やっぱり駄目だったかぁ……。



お、斉藤のやつが呼ばれたぞ。

「せ、先生!!」

何だ? 斉藤の奴、急に大声なんか出して。

「な、なんだ?」

先生も困惑してるじゃないか。何であんな大声だしたんだ?

「先生! 宿題忘れました!!」

斉藤の声は教室中に響き渡るくらいの大声で言った。
あぁ……宿題ね。俺は昨日出したよ。
先生あっけにとられているよ。

「明日までにやってきなさい」
「はい!!」

斉藤の奴、また大声だ。
宿題忘れたくらいで大声だすなよ。俺なんか……テストの点が……。
どうやら平均点以上ってことが唯一の救いだな。



BACK|モドル|>>NEXT