隣の斉藤君
2009年 8月11日 うす曇り。
俺はそんなに目立つほうではないと思う。斉藤の奴は変な意味で目立っているが。
俺は平和主義だし、できれば野球以外で争いたくない。
実は、俺たち結構今いいとこまできてるんだ。あと、もう少しで甲子園なんだ。
キャプテンにいたっては、受験があるからイライラしてる理由もわかるけど……何もそこまでって思う。
「おい! お前!! 後輩のことはちゃんと見てろっていっただろ!!」
キャプテンも悪い人じゃない。だから、同じチームメイトである俺たちにあたったりはしないんだけど……。
その矛先はいつも、サッカー部の連中に行くんだ。
今日だって、練習中に、サッカーボールが転がってきたからってこんなに怒っているわけで。
そのくらいいいじゃないかって俺は思うわけで……。
「狭いんだから、しょうがないだろ。お前らだってボール飛ばしてくるだろ」
ほら、サッカー部のキャプテンもイライラしている。
いつになったら練習に戻れるんだろう。
「あれは、ホームランだからしょうがないんだ!!」
いやいや、キャプテン。そーいう問題じゃないだろ。
皆困ってるし……。
どのぐらい喧嘩してたんだろう。まだ、喧嘩してるんだけど。
あ、斉藤と三代川の奴がきた。こっちを見てる。
どうせ、またろくでもないことを考えてるんだろうなぁ。
「お前たちは、ここから向こう側だろ!! ボールとばすな!!」
キャプテン、いい加減にしれくれよ。もう、練習したいよ。
多分、サッカー部の奴らもそう思っていたと思う。
それに見かねて陸上部の奴が仲介してくれて、どうにかおさまったけど、キャプテンたちの不満はおさまってないだろうな。
「体育祭の部活動対抗リレーでサッカー部には絶対負けるな!!」
キャプテン、燃えているよ。その声に、俺たちはうっす!! と答えちゃったけどさ。
結局、斉藤と三代川は何しにきたのかわからないしさ。
まぁ、キャプテンも思うところはあるらしいが、とりあえず俺たちは練習を再開した。
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