冬と、人との戦い。 冬 の 使 い
冬の使いがやってきた。冬の使いは冬を運びながら各地を旅する。でも、どうして冬が来る? 冬が来なければあの子は冬眠しないのに。冬眠しなければ、大変なことにもならない。冬がなければ、皆平和に生きていけるはずではないのか? 全ては冬のせい。そうか。冬の使いを捕まえよう。冬をなくしてしまおう。冬は必要ないものだ。さぁ、冬の使いを捕まえに行こう。

冬なんかなくなっちまえ。

01.冬が来る 毎年、冬になるとあの子はやって来る。
大きな白い狐と一緒に。多分、今年もやって来ると思うんだ。
02.両親の喧嘩 お父さんとお母さんが喧嘩をしていて、小さな妹が泣いていた。
冬になると、お父さんとお母さんは仲が悪くなる。
03.ブランカ お父さんは、夕食の時間を過ぎても帰って来なかった。
毎年来るあの子。また、遊びに来てくれたんだ!
04.ロッシの話 朝起きて、窓を開けると昨日より寒さが増していた。
ロッシは別に嫌な奴じゃないけど、直ぐにお父さんの自慢をする。
05.崩壊 わからない。わかりたくない。
冬が来なかったら、冬がなかったら、喧嘩しなかった?
06.冬なんて嫌い ロッシは両腕を挙げ、万歳をし、歓声をあげた。
冬がなくなるなら、何だって教えてやるよ。
07.捕まえた 僕達は直ぐに森へと向かった。
心は痛まない。冬が憎くてしょうがない。
08.朝になって お兄ちゃんが疲れた顔でキッチンに立っていた。
おかしいな。今日から雪が降るのに降っていない。
09.ビアンカの襲撃 ブランカが捕まってから何日か過ぎた。
僕達の町はもの凄い吹雪に襲われた。
10.ビアンカを探せ! 吹雪は段々と強くなっていった。
頑丈で重たそうなドア。この向こうに、ブランカが。
11.兄弟妹の選択 そして、僕達は何も変らない毎日を送る。
少し、冬の見方は変ったけれど。
   モドル